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ピッ
「どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
本を受け取り、鞄に詰めた。
外は空が茜色に染まり、藍色の空が少し浸透してきていた。
私の腕時計は7時30分を指していた。
「失礼しました」
挨拶をして、帰ろうとした時…。
「あのっ!!」
「はっ、はい!!」
「外は暗くなるし、女の子だと危ないので送ります」
「いっいえ!!大丈夫です」
そんなことしたら、迷惑かけちゃうよ。
「大丈夫です、迷惑とは思ってませんので。では東門の前で待っていてください。鍵を返してすぐ行くので」
そういって、彼は去っていった。
正直、一人で帰るのは心寂しいので言葉に甘えることにした。
東門の前で待つこと5分。
「お待たせいたしました」
彼は自転車を押して、やってきた。
黒色の自転車はまだ新しいのか少し光って見えた。
「行きましょう」
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