第3章 花園

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「ん?女同士の争いって、壮絶なものがあるな。下手に介入すると面倒だから、放って進もうか」     「えっ、放置?」     出された答えは、あっさり見捨てる発言で、思わず聞き返す。       「放置。アレに、巻き込まれたい?」       眩しい程の笑顔で、そう言われると、本心では勿論、巻き込まれたくないから、言い返せず、逆に返事に困ってしまう。         あたし達が、こうして話してる間も、女?の争いは、お互い手?を出す程に、エスカレートしていた。     茎が太いものは、体を揺らし、隣の花に体当たりして、折れさせたり、堅い花達の葉は、ナイフみたいに鋭いのか、お互い、葉で相手を斬り合う。   切れた先から、赤い血のような液体が流れ伝い、死闘とも呼べる争いは、花が茎から落ちるまで続いていた。       「血!?どうして、血が?」       普通は、何か白い液が出たりするのは、見たことあるけど、濃い赤は、血液そのものに思えて、何だか気味悪い。      
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