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鮮血に驚き、口から飛び出した問いに、ジャバーウオックは動じることなく、教えてくれた。
「生き物は、傷つくと血を出すだろう。花だって、生きてるから、出ても別に不思議じゃないよ」
易々と肯定され、流れているのが血だと理解すると、余計気味悪く思えた。
止める間もなく、花頭は、次から次へと、落ちてゆく。
土を埋め尽くすのは、弱者の顔。
あたしには、止めさせる勇気がなかった。
助けもせず、黙って見殺しにしたの。
先ほどまで、五月蝿かった花園は、徐々に、静寂が訪れる。
時折、断末魔の悲鳴の様な声や、炎が尽きる様な、か細い声が漏れて、あたしの耳にも届く。
土は、流れ落ちた血を吸いきれず、赤黒く、てらてらと濡れ、鈍く光る。
「みんな、死んでしまった、の?」
血をだらだらと流し、歯脈が辛うじて残るボロボロの葉や、折れて茎と葉だけ残る姿を見て呟いた。
あたしを囲む周りは、花の死体が覆う。
その時
「清々したわ。勝ったのは、私よ」
高々と勝利を宣言する女の声は、歓喜に酔いしれていた。
その場に立つのは、一輪だけ残る大輪の薔薇の花。
返り血を浴びたバラは、とても赤く、しっとりと濡れた花びらからは、血が滴り落ちる。
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