第3章 花園

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          騒がしかった扉の外からは、今は何も聞こえない。 アリスは先へと向かったようだ。       「アリスを傷付けるモノに、俺容赦しないから」   それが例え、アリスを此所につなぎ止める為の行為だったとしても。     庇わなければ、今頃アリスの腕は棘の蔓で傷付いていたはずだったのだから。         話しかけられた薔薇は無言のままだった。         この花園では、もう二度と赤薔薇が咲くことはない。          
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