第4章 クイーン

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「言いたいことがあるなら最後まで言いや。わらわに無礼であろう」       「えっ。す、すいませんっ。あのっ、ここにいる人は、あなただけなんですか?」   相手の迫力に負け、思わず口を吐いていたのは、訳わかんない質問。 ジャバーウォックに既に出会っているのにね。     女の人は質問してる間、ずっとあたしの顔を見ていた。         「まず、ものを尋ねる時は、自分の名前を名乗るものじゃ」       声の雰囲気から、完全に機嫌を損ねさせたみたいで、あたしは縮こまる。         「すいません。あたしは、有栖って言います」   何だか、この人に謝ってばかり。         「ほう。そなたがアリスか。よくぞ参った。それで此処で、一体何をしておるのじゃ?」   女の人に逆に問いかけられ、思わず首を傾げる。   まるで、アリスって人間が来る事を元々知っていたかのように聞こえたんだ。      
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