第4章 クイーン

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「…チェスってどこにあるんですか?チェス盤なんて見えないけど」   クイーンは黙って坂の下を指差す。       有栖の住む街は城下町だ。 だから区画が割と碁盤の目をしていたが、今見える風景の区画は道路だけではなく、川や堀や橋などできちんと区画が分かれていた。     「まさか、ここ全体がチェスの盤?」       クイーンはそのまま話を続けた。   「ポーンは最初に2つ進める。スタート地点から2つ目まで電車で進めばよい。それからは1つずつ進んで8の目、つまり相手の陣地に到着すればそなたはクイーンになる」      
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