第4章 クイーン

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背中にしがみついた途端、バイクは走りだす。               「着いたぞ。降りや」   クイーンの声に有栖はバイクから降りる。     初めて乗ったバイクはすごく楽しかった。   風は強く当たったが、遊園地のアトラクションの様に次々に変わる景色やスピード感が良かった。 いつかまたバイクに乗ってみたいと思う。       有栖は、近くのベンチに腰掛ける。       「なんじゃアリス、そなたはわらわに礼のひとつもないのか」     「ありがとうございます」   有栖は立ち上がり、素直に頭を下げた。       「後々会えるのを楽しみにしておるからの。それまで負けるでない」   そう言い残し、バイクの轟音を響かせてクイーンは去っていった。      
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