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有栖は駅の入口前で立ち止まる。
ここまで来たのはいいけれど、お金を持ってないのに気がついたからだ。
電車に乗るための切符も購入できないし、そもそもどこに向かったらいいのかよくわからない。
「アリス」
後ろから、急に聞こえた聞き覚えのある声。
アリスは振り向いて応えた。
「ジャバーウオック!大丈夫だった?怪我は?」
「平気だから気にしなくていい」
そう言ってジャバーウオックは、有栖の頭を右手で優しく撫でた
そっと髪に触れる感触は、何故かとても安心する。
ジャバーウオックは手を下ろすと話を続けた。
「それで、アリスはこれから2つ進んで3の目に行けばいいのかな?」
「何で知ってるの?クイーンに会ったの?」
ジャバーウオックは軽く首を横に振った。
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