第5章 駅にて

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有栖は駅の入口前で立ち止まる。     ここまで来たのはいいけれど、お金を持ってないのに気がついたからだ。   電車に乗るための切符も購入できないし、そもそもどこに向かったらいいのかよくわからない。       「アリス」     後ろから、急に聞こえた聞き覚えのある声。 アリスは振り向いて応えた。   「ジャバーウオック!大丈夫だった?怪我は?」   「平気だから気にしなくていい」     そう言ってジャバーウオックは、有栖の頭を右手で優しく撫でた   そっと髪に触れる感触は、何故かとても安心する。       ジャバーウオックは手を下ろすと話を続けた。     「それで、アリスはこれから2つ進んで3の目に行けばいいのかな?」   「何で知ってるの?クイーンに会ったの?」     ジャバーウオックは軽く首を横に振った。      
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