第5章 駅にて

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「ジャバーウオックは竜なの?」   「そう言われたりもする」   ジャバーウオックはあっさりと認める。       「じゃあなんで何者って聞いた時に竜って言わなかったの? 」   「俺は俺。アリスはアリス。他の何者でもない。アリスは他になれないが、他もアリスになれない。アリスはニンゲンとか竜とかそんなカテゴリーって大事?」 ジャバーウオックは、有栖の目を見ながら言った。 紫色の瞳が有栖を貫く。       「そんなことはないと思ぅょ」   咎められた気分になり、ごにょごにょと有栖は答えた。      
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