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「アリスはいい子だね」
「そんなことないって」
「そんなことあるって。こうしてる間に発車しても困るから、中に入ろう」
「うん」
有栖は入口のドアを開けた。
(くだらねえ茶番の始まりか)
微かな呟きが、後ろから聞こえたような気がして、有栖は振り向く。
ジャバーウオックと目が合う。
「ん?アリスどうかした?」
「なんでもないよ」
そう言って、また前を向いた。
気のせいだろう。
ジャバーウオックはあんな話し方をしない。
ただ、瞳ってあんなに赤っぽかったっけ?
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