第5章 駅にて

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手を回した時に気が付いた。   翼が、いつもよりも完全に大きくなってる。     黒い翼は大きく羽ばたく。 ふわりと浮いた気がしたと思ったら     「はい、到着」     気をとられた間に電車の前に立っていた。 翼も元に戻っている。      有栖はホームに降ろされた。      「ん?ああ、元のままじゃ邪魔だからいつもは畳んでるんだ」   多分翼の事を説明してくれたんだと思う。       「そんなことより乗る」   背中を押されながら、有栖は電車に乗り込んだ。      
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