第6章 3つ目に向かって

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「ご乗車ありがとうございます。それでは切符を拝見させていただきます」 車掌の格好をしたフェレットのような子供程の大きさの小動物が、切符切りを片手に走り出した電車内で切符のチェックをし始めた。       急いで乗り込んだから、切符のことをすっかり忘れていた。       どうしよう       隣の席に座っているジャバーウオックをチラリと見上げる。         「ん?」   ジャバーウオックだって切符を買ってないはずなのに、全く慌てる様子はない。         (切符どうしよう?あたしお金ないの)   小声で相談してみる。       (俺もどちらもない。困ったね) 全く困った感じが感じられない程、明るく笑い返される。       絶対に本気で困ってないよね?         車内では、次々切符の確認が行われてる。     ついに車掌は有栖達の目の前に立った。      
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