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六合は、そこまで言いかけてやめた。
何故か、口に出してはいけないような気がした。
「………玄武~。あっいた!……玄武、ちょっといい?」
「ん?……あぁ、琴弥今帰ったのか。」
「うん。……ねぇ玄武、ちょっと頼みたいことがあるんだけど?」
玄武は、佇まいをなおして琴弥に向き直った。
付喪神たちは気をきかせて部屋を退室していった。
「なんだ?……我に頼みとは?」
「玄武の水鏡って、遠くのものでも写せるんだよね?」
玄武は肯定だと言うように首を縦にふった。
「ある程度までなら大丈夫だが…」
琴弥は安心して、今日彰に聞かされたことを玄武に話した。
「それで、貴船に言ってから彰の邸に行こうと思うの。……だから、玄武彰の邸に水鏡を置いてきてほしいの。」
「了解した。すぐにでも置いてこよう。」
そう言って玄武は立ち上がった。
「ありがとう。じゃぁ、私は出かける準備と六合にも話しておく。」
それから、玄武は彰の邸に、琴弥は出かける準備をした。
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