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そこまで言って先に高淤の神に言われた。
[………おそらく、その三人には、バレていたのだろう。]
鋭い指摘に琴弥は苦笑を浮かべていた。
さすがに、神にはお見通しと言うことだろう。
「…………はい。……私もビックリしました。」
[まぁいい…、それで…私に何か用かな。]
琴弥は緩んでいた顔を引き締めた。
「……高淤の神はもうわかっているんじゃないですか。………。」
高淤の神は微かに口角を上げた。
琴弥は、それを肯定だと捉えた。
[………決めるのはお前だ。…………さぁどうする。……自ら動くか、それとも兄浩哉に任せるのか。]
「定めからは逃げません。……私は、私がやらなければならないことをやります。」
まっすぐ高淤の神を見て、琴弥は答えを紡いだ。
[………そうか、ではこれを持て。これは力を抑えるものだ。]
高淤の神に渡されたのは、丸い玉のついた首飾りだった。
[それが、お前の中の天孤の力を押さえてくれる。]
「ありがとうございます。」
琴弥はそれを瑪瑙の勾玉の首飾りの上に下げた。
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