4.

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[…………これから、お前の本来の力、それから見鬼の才、及び記憶を解放する。] 高淤の神は片手を掲げると周囲の空気を一気に取り巻いた。 激しい風の中、神将や風音はその一部始終を見守っていた。 琴弥は、自分の中に力と記憶ぎ流れ込んでくるのがわかった。 今までの分の記憶はあまりにも残酷なものや、辛い思い等が混ざっていた。 それが、一気に琴弥の身体の中に流れ込む。 琴弥は辛さに顔を一瞬歪めた。 そして、風が収まる頃にはぐったりして、その場にたっていることが辛かった。 なす術もなくその場に崩れ落ちた。 それにすかさず青龍が反応して、琴弥を抱き上げ、顔を覗く。 力なく開かれた目には、天孤の焔が燃えていた。 そしてそれはすぐに消えた。 完全に琴弥の中に戻ったのだった。 「…………せ…い………りゅう。」 重たい瞼を持ち上げて、琴弥は力なく笑った。 玄武、六合、風音も琴弥の元にかけよった。 「…………大丈夫か…。……………しばらく休め。」
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