4.

20/26
前へ
/82ページ
次へ
琴弥が目を閉じたのを確認すると、回りにいた神将と風音はホッとして息を吐いた。 […………私はこれでも気に入っていたんだがな…今は呆れるほど落ちぶれた。] 六合、青龍、玄武は何を言われているのか理解した。 安倍家が琴弥にやってきたことは隠せようもない事実。 「…………琴弥を休ませたい。………今日は失礼します。」 青龍は礼儀を忘れずに一言告げると、琴弥を横抱きにして身を翻した。 それに六合、風音、玄武と続くように貴船をあとにした。 […………ふっ、せいぜい楽しませてもらうさ。] その声は誰にも届かずに闇に溶けた。 青龍に連れられ自邸に戻ってきたのは、琴弥が意識を失ってからそう時間はかからなかった。 そして、目を覚ましたのはその四時間後の明け方近くだった。 初めは、朧気な眼差しをしていたが、意識を失う前のことを鮮明に思い出した。 「………もう…戻れない…。」 「琴弥。」 そう呼んだのは十二神将が一人青龍。 その近くには、六合、風音、それから玄武の四人。
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

184人が本棚に入れています
本棚に追加