4.

21/26
前へ
/82ページ
次へ
「俺たちは、今度こそお前から離れる気はない。」 揺れる琴弥の瞳からは、涙が溢れ出ていた。 いつかこの日がやって来るのだと理解はしていた。 それにきっと、今まで以上に辛い思いをすると言うことも。 「ごめんね…青龍。…………それから…ありがとう。」 「………琴弥。我らは晴明からの式を外れた。………これからは琴弥の式につくつもりだ。」 それに、六合、青龍も頷いた。 風音は優しい笑みを浮かべて、琴弥を見た。 「………私は、これまでも…これからもみんなに辛い思いをさせるかもしれない。……それでもいいの?」 苦しそうな表情をさせながら、神将たちに確認した。 しかし、神将たちはそれでも琴弥から視線を離そうとはしなかった。 「……それでもかまわない。」 「俺たちは何があっても離れん。」 「………みんなの覚悟を受け取りなさい。」 そして、風音までもが琴弥に言葉を向けた。 「ところで…兄様と彰は……?」 「今のところ異常はないそうだ。」 そう言ったのは、玄武だった。 「彰も安全だそうだ。」 琴弥はホッとして息を吐いた。
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

184人が本棚に入れています
本棚に追加