4.

22/26
前へ
/82ページ
次へ
「それじゃ、今日は私も彰の邸に行こうかな。」 「……大丈夫なのか?無理は…」 玄武は琴弥を心配して言ったが、後になって出かかった言葉を呑み込んだ。 青龍は何か言いたげな顔をしていたが、あえて言わなかった。 「大丈夫だよ。……あそこには兄様と神将たちがいる。」 「それが心配なのだ。……他の神将がいる場所に行かせるのは……。」 琴弥はクスクスと笑ってから起き上がり、近くにあった書物を手に取った。 「気にしてないから…。それに、これは自分で望んだこと。今は六合と青龍、それから玄武、風音が居てくれるから…。」 「………誰か来る。」 そう言ったのは、六合だった。 琴弥を目を伏せて気配を探った。 「この神気は、十二神将……勾陣、朱雀、太陰ね。………何の用だろう?」 その後直ぐに邸の門に人の気配を感じた。 「…………あれ?……この気配………じい様?」 琴弥は渋面を作った。 なぜなら、琴弥が今一番会いたくない人物だからだ。 おそらく青龍、六合、玄武も同じ気持ちだろう。 そして、晴明(ハルアキ)は邸の門をノックもしないでずかずかと進んで、戸を開けた。
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

184人が本棚に入れています
本棚に追加