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「それじゃ、今日は私も彰の邸に行こうかな。」
「……大丈夫なのか?無理は…」
玄武は琴弥を心配して言ったが、後になって出かかった言葉を呑み込んだ。
青龍は何か言いたげな顔をしていたが、あえて言わなかった。
「大丈夫だよ。……あそこには兄様と神将たちがいる。」
「それが心配なのだ。……他の神将がいる場所に行かせるのは……。」
琴弥はクスクスと笑ってから起き上がり、近くにあった書物を手に取った。
「気にしてないから…。それに、これは自分で望んだこと。今は六合と青龍、それから玄武、風音が居てくれるから…。」
「………誰か来る。」
そう言ったのは、六合だった。
琴弥を目を伏せて気配を探った。
「この神気は、十二神将……勾陣、朱雀、太陰ね。………何の用だろう?」
その後直ぐに邸の門に人の気配を感じた。
「…………あれ?……この気配………じい様?」
琴弥は渋面を作った。
なぜなら、琴弥が今一番会いたくない人物だからだ。
おそらく青龍、六合、玄武も同じ気持ちだろう。
そして、晴明(ハルアキ)は邸の門をノックもしないでずかずかと進んで、戸を開けた。
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