人斬り

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 目の前には、雨粒とどす黒い血飛沫。 相手は、刀を握ってかなりの時と経験を刻んでいるはずだ。 恐い。 周りでは刀を叩きつけ合う金属音や断末魔。 俺は、疲労と緊張で混乱する頭でそう思った。 相手も体力を消耗しているのか、 少し息が荒くなってきている。 いちかばちか 肩の力を抜き刀を握り直す。 それとほぼ同時に相手との距離を詰める。 それに合わせ相手も軸足を前に倒す。 振り込まれた刀を弾く。 相手は、かなり肩に力が入っている。 簡単に弾いた刀だったがすぐに次の手が来る。 次は、弾かず刀身で受ける。 じりじり押される。 ここで気を抜けば、確実にやられてしまうだろう。 深い切り傷が入った太ももに負荷が掛かり、衝撃で目の前が白く濁る。 俺は、力を込め一気に刀を押し返す。 間合いが取れた。 渾身の一撃で刀を振り下ろす。 それ以外頭に入らない。
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