人斬り

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暗い。 どれくらい寝ただろうか。 体の節々が痛む。 ゆっくりと目を開く。 「カラス……っ痛」 軋む体を起こす。 敵味方大量の死体にカラスが群がっている。 「おえぇっ! 」 目の前にあの顔が浮かび、たまらずに嘔吐した。 よく見るとかなりの数だ。 4人斬った。 戦は終わったのだろうか。 俺は、血と泥で滲んだ格好で、首のない死体が握っていた刀を奪い取る。 それを杖代わりに逃げるようにその場を去る。 「俺は、人を斬ったんだ」
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