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桜が咲く校庭に、運動部の掛け声が響く。
そこには、各々準備運動をする男女の姿。
それとは正反対に、静寂に包まれた図書室。
騒がしくなる事がないその図書室も、窓を開けているせいか、外の喧騒が流れ込んでくる。
窓辺に座って本を読んでいる独りの少女。
その少女を見つめる少年。
少女の視線が決してこちらに向くことがないと分かっていながらも、少年は少女を想い続ける。
部活の休憩時間、話しかけることが出来れば少女はこちらを向いてくれる。
でも、そんな勇気は少年には無く。
少年の声は、少女に届くことはなく、少女の目も、少年を捉えることはない。
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