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「本、ですか?」
そう言った声には、緊張が走っている。
「えぇ。
探してたんでしょう?」
てっきり本に集中していると思っていた。
少女が、何気ないことでもこちらを気にしてくれていたのかと思うと、自然と顔が綻ぶ。
「探したんですけど、見つからなくて。
別に大したことじゃないんで、大丈夫です」
少女の目を見て話すことが出来ない。
「そうですか。
もうすぐ予冷が鳴ってしまいます。
私はここのカギを閉めないといけないのでもうすこし居ますけど、どうしますか?」
「あ、じゃあ、帰ります。
本当にごめんなさい」
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