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いつもの待ち合わせ場所まで来た。
「いつもは、ここで別れるよな」
優人は何処か遠くを見つめ言った。
「でも、今日は違う。ごめんね」
夕日に照り輝いたその顔に僕は言った。
その顔は振り向いて、
「だから、気にするな。ほら、道。教えてくれ」
「うん、分かった。今度は僕が優人の家に行くから」
「おう。楽しみにしてる」
前を向いていて、よく分からなかったが、笑っていた。
いつもは一人で歩く道。
今日は二人で歩く道。
楽しいような、照れ臭いような。
そんな空気が僕たちを取り巻いていた。
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