友達でいること

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僕の家に着いた。 「ここが僕の家だよ」 単なる一軒家でございます。 「意外と近かったな」 そう言うと、優人は玄関の扉を開けた。 そして、 「こんばんは」 と、言った。 「え、ちょっ…」 僕は慌てる。 すると、 「あら、こんばんは」 母さんが出てきた。 「祐の友達?」 母さんが僕に聞いてきた。 「あ、うん。如月優人くん。同じ野球部なんだ」 「それで、どうして?」 母さんは分からないといった風に言ってきた。 何と説明すればいいか、僕が迷っていると、 「祐くんが少し体調が悪いみたいでしたので、送っただけです。それでは、また」 優人はそう言うと、足早に帰っていった。 「あっ、待って、優人」 僕のその声は届かなかったようで、その後、優人が戻ってくることはなかった。
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