125人が本棚に入れています
本棚に追加
僕の家に着いた。
「ここが僕の家だよ」
単なる一軒家でございます。
「意外と近かったな」
そう言うと、優人は玄関の扉を開けた。
そして、
「こんばんは」
と、言った。
「え、ちょっ…」
僕は慌てる。
すると、
「あら、こんばんは」
母さんが出てきた。
「祐の友達?」
母さんが僕に聞いてきた。
「あ、うん。如月優人くん。同じ野球部なんだ」
「それで、どうして?」
母さんは分からないといった風に言ってきた。
何と説明すればいいか、僕が迷っていると、
「祐くんが少し体調が悪いみたいでしたので、送っただけです。それでは、また」
優人はそう言うと、足早に帰っていった。
「あっ、待って、優人」
僕のその声は届かなかったようで、その後、優人が戻ってくることはなかった。
最初のコメントを投稿しよう!