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―部活を終えて、帰り道でのこと。
「なぁ、陽彦。見舞いに行った方がいいかな?」
歩いていてふとそんなことを思った。
元気になったかどうか気になって仕方ないというのもあるが。
「行った方がいいと思うよ。松谷も待ってると思う」
「そ、そうか」
マジな調子で言われて照れる。
「お前ら友達だろ?」
「おう」
何を言いたいのか、いまいち掴めない。
「だったら、分かるだろ」
陽彦のその言葉と目で、全てが分かった。
「陽彦、ありがとな。俺、急いで行くわ」
「おう。行ってやれ」
俺は走って、松谷の家へと向かった。
いつもの待ち合わせ場所を通りすぎ、昨日の道を急ぐ。
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