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「なんで俺はこんなとこにいんだろうなあ。全く」
狭くて暗い部屋の中で、両腕をとても頑丈そうな手錠で繋がれたその少年の名は三上建御(みかみけんご)。
どうやら何者かに囚われているようだが、あまり危機感を持っていないようである。
「このホシにはニンゲンはいない。それがオマエがここに捕まっているリユウだ」
人間と同じくらいのサイズのロボットが、アサルトライフルのような物を建御に向けている。
全体的に灰色で、同じ形のロボットが他にもいることから、建御は雑魚ロボを略して、ザボと心の中で名付けている。
「理由になってないでしょ。それに、この星に人間がいないのなら、なんで『人間』を知ってるの」
建御の目付きが鋭くなり、表情に迫力が増す。
「オマエに話す必要はない。大人しくしていろ」
ロボットは銃口を建御のこめかみに押し当てた。
「あーもう、わかったわかった。銃を下ろしてくれ。俺はただ宇宙を観光しに来ただけなんだよ。旅行客さ。旅行客に乱暴するなんて国際問題になるよ?わかってる?」
建御は表情を崩し、おちゃらけて見せたが、目付きは先ほどから変わっていない。
「キサマのホシの事情は知らん。旅行客とはふざけたことを言う。では、今こちらに近づいている2機の巨大ロボットはどう説明する。頭部の形状がキサマの乗ってきたヤツとほとんど同じではないか」
「たまたまだよ。人間が造ってるんだから、そんなときもあるよ」
「ゴチャゴチャとうるさい。そんな馬鹿なコトがあるか。とにかくおとなしくしていろ」
建御は銃口を突きつけられても全く動じなかった。
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