Epilogue

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「嬢ちゃん、フェンリルを前に丸腰とはよ、命は大事にするもんだぜ?」 恵理の背後から低い男の声が聞こえた。 そこには白い獣を撃った本人が居た。 顔付きが良く、お洒落で凛々しい男性であった。 「え?」 恵理には訳がわからなかった。自分は現に今まで一人で行動してたのにも関わらず、背後に人が居るのだ。 男性の撃った銃弾は白い獣の右目に命中し、「それ」は悲鳴を上げながら歪みの中へと逃げ帰った。 「彼女にも…現れてしまったのだな。」 「みたいだね。本人は気付いてないみたいだけど。」 千秋とライトニングはその男性が何なのか予想は着いていた。いや、予想と言うより確信だろう。 「お前は、彼女の『もう一人の自分』なのだろう?」 「あぁ、俺はこいつであり主人公でもある。」 ライトニングの問い掛けに、半ば意味不明の答えを返す男性。発言の後半の部分は何を意味するのか誰にもわからなかった。 「嬢ちゃん、俺の名はバルフレア。あんたの『もう一人の自分』ってやつだ。よろしくな。」 「え、あ、私は恵理って言います。どうかよろしくお願いします。」 恵理はようやく理解出来たのだ。自分も千秋の様に特別な存在になったのだと。 その後は時間が許すまでバルフレアの話を皆で聞いた。どうやら先程の白い獣はフェンリルと呼ばれているらしく、元の世界でも相当危険な存在だったらしい。 今日と言う日は皆にとって特別な日となった。 千秋とライトニングにとっては自分たちの力不足を感じさせられた日 恵理にとってはバルフレアと出会った日となった。
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