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それからは千秋と恵理─いや、バルフレアとライトニングも含めた4人はほぼ毎日、夜の学校に出向いた。
フェンリルを取り逃した今、ヤツが何時、どのタイミングで出現するかわからなかったからだ。
数日後の授業の4限目にあたる時刻にヤツは現れた。
「生徒は今すぐに裏山へと避難してください!繰り返します!──」
授業中にいきなり緊急の放送が流れる。クラスはざわめき、半分の生徒は悪ふざけか避難訓練かと思っているようだ。
「ガアァァァァ!」
外から4人の知っている雄叫びが聞こえる。運動場にヤツは現れたらしい。
その雄叫びが聞こえると、生徒は半ばパニック状態で裏山を一斉に目指して駆け出した。
「遂に現れたか…。」
「しかも真っ昼間にね。」
緊張感を漂わせながらライトニングと千秋が会話を交える。4人は生徒達が目指す方向と正反対の、フェンリルの居る場所を目指した。
今回はバルフレアが加わり、戦力的には拡大したがフェンリルはそれでも倒せるかわからない。
恵理も戦いには粗方慣れはしたが、ヤツはそこらの歪みから出てくる雑魚とは桁が違いすぎる。
そんな不安が頭を過ぎりながらも運動場に着いた。
そこには既に、いや、『居てはならない者』がフェンリルと対峙していた。
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