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「千秋、おい千秋!!聞いているのか?」
誰も居るはずの無い隣から自分に向かって話している声が聞こえる。「他の人から見たら誰も居ない」けど私には見える。「もう1人の私」が。
「あぁ、ごめん。ボーッとしてた、もう一回言って。」
もう1人の私は眉間にシワを寄せて、再び話し始める。彼女の名前は「ライトニング」。必要最低限の鎧を纏い、整った顔付きに大きな緑の瞳、綺麗な桃色の髪を束ねて左肩に垂らしている彼女は千秋から見ても美女と断言出来る程の女性だ。ライトニングは本当の名前は教えてくれない、でも別に知る必要も無いから千秋はそれで良いと思っていた。
「今日の夜、探索するからな。」
「また!?これで3日連続じゃん、私の身にもなってよ。受験生なんだよ!?」
千秋はライトニングの発言に怒りと呆れを感じた。彼女は受験生故に授業はとても大事にしている。夜更かしして授業中に居眠りなんて千秋にとって論外であった。
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