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ベヒーモスとの戦闘を終えた千秋は母親に心配を掛けまいと急ぎながら正門を飛び越えたその時だった。
「千秋?千秋じゃない?何で学校の中から出て来たの?」
右側から聞こえる声。目で確認する必要は無かった。クラスで1番の親友の声を誰が間違えるだろうか。とにかく、千秋は頭の中でこの場をしのげる様な言い訳を考えた。
「ねぇ、千秋の隣に居るアニメみたいな格好をしてる綺麗な人は誰?」
言い訳を考える必要は無くなった。いや、言い訳で乗り越えられない状況になってしまったのだ。
「恵理…ライトニングが見えるの?」
千秋は目を大きく広げて恵理に訪ねた。「普通の人間には見えない」筈なのだ、今まで誰も気付かなかった。恵理でさえも。なのに今、こうやって親友は千秋のもう1人の自分であるライトニングを認識出来ているのだ。
「ライトニングさんって言うんですか?私は畠田 恵理って言います。初めまして!」
千秋の親友、恵理はライトニングに深々とお辞儀した。彼女自体はそんなに驚いていないみたいだった。
畠田 恵理
千秋の親友でいつも一緒に行動している。とても可愛らしい仕草を無意識に行う女の子だ。
「ライトニング…なんで恵理にあんたが見えてるの?」
「私に聞くな、しかし彼女は何故驚きすらしてないんだ?」
2人はニコニコしている恵理に引きつった笑みで返しながら心中とても動揺していた。そしてライトニングが呟いた。
「これは面倒な事になったぞ…。」
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