はじまりの音

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「いらっしゃいませ~。」 やっと来たお客さんを見ると、若い男の子が2人居た。 「いらっしゃいましたー!」 背の高い男の子が、テンション高くそう言った。 「ヒナちゃん、あれ年末来た人達だよ。」 マイが私に呟く。 「あぁ、角に座ってた? 私あそこ着いてないんだよね。」 思い返してみると、酔っ払って大騒ぎする、私の苦手なタイプの人種だった。 「ヒナ、マイと着いてくれる?」 彼らを案内して、挨拶を済ませたレミさんが手招きをした。 「おじゃましまーす。」 私はさっきの、背の高い方の男の子の隣についた。 「お兄さん、なんだろ…エンジェルハートみたいな匂いがする。」 席について最初に感じた、率直な感想だ。 「お前は犬かっ!嘘っ!可愛い、好きっ!」 「あはは…テンション高いですね。」 もう1人の彼に話をふると、彼もだいぶ出来上がっているようで、「まかせてっ!」とグーサインを見せられた。
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