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「変な依頼とは何じゃ。」
「王様と会談するために来た南からの貴族の護衛ですよ? あれは本来城の衛士がするものだし、妙に代金も高かったんです。受けた本人である親父は何も言っておりませんでしたが。」
「(あの方達、実は南の同盟国の王族なんじゃが……)……ま、まあいいとしようかの。それでなんじゃが……。」
男性は少年に魔王討伐……じゃなかった、勇者探しの依頼を再度提示した。少年は即答する。
「お断りしたいと思っています。流石にリスキー過ぎますし、第一俺はまだ14で親父の手伝いをしていただけですし……。」
「……まぁ、とりあえず契約書類でも見てくれんかの。」
男性は懐から一枚の巻物を取り出すと、少年に手渡す。そこにはこう書いてあった。
「……『神原結斗に4代目勇者捜索の任を与える 魔法王国国王 セルジット=アルテリア』……!?」
「とまあ、儂からお主への命令なんじゃよ。行ってきてくれないかの?」
「(国王命令……ってまてよ、今『儂の命令』って)……こ、国王? 貴方は国お――」
思わず大声を出しそうになった少年――結斗――の口を男性――国王セルジットが塞ぐ。
「これこれ、大声を出すんじゃない。」
「……国王様、ですか?」
結斗は思った。みてくれは普通のお爺さんな彼。そんな印象を持つ彼がまさかこの国の国王だなんて……。
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