プロローグ

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 だが、服装と髪型を整えて軽い口調を直せば確かにあの頑健で屈強な国王になるのがわかる。 「本来はこちらが素での。ああいう堅苦しいのはチト苦手なんじゃよ。……依頼、受けてくれるじゃろう?」 「……国王の命令なら断ることは出来ませんよね。ところで何故、『勇者の捜索』とは?」  妙な言い回しに疑問を持った結斗。それに対し国王はしかめっ面をして答える。 「これはの。強いて言えば儂の名誉の為じゃな。」 「は……はあ。」  自分で秘密裏にとはいえ、傭兵に討伐されると国王として困ってしまうらしい。此方としては魔王討伐などと言う危険極まりない役目を負わなくてよいので願ったりかなったりである。 「だからまあ……お主には悪いんじゃが一年前に旅立った『勇者』を探して欲しいんじゃよ。」 「そうですか……」 「まあ、勇者といえども流石に魔王を討伐出来るとは思ってはおらん。和平なら尚更良いのじゃが。」  ただ今回の魔王は力でしかモノを言わない『王道な物語に出てくるような典型的な魔王』タイプらしいがの。と国王は付け加えたように言い、今回はここで解散となったのであった。
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