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--魔法王国--
--王室--
「ふぅ。久しぶりに下町に行ったがやはり下町は良いものじゃな。」
直通の隠し通路から自室に這い出た国王は手早く身嗜みを整えて『国王』としての姿を取り戻したと同時、ノック音が響く。
「合言葉」
「二度あることは三度ある」
「入れ」
王室に入ってきたのは長い金髪をたなびかせる妙齢の女性。朱色のローブを着た彼女の名前は『マリー・アスタリスク』。国王の右腕と言われている若き天才女大臣だ。
「……下町に行きましたね?」
「……い、行っておらぬぞ?」
「酒瓶」
「……むぅ。お主には隠し事は出来そうにないのぅ……。」
--説明中--
「……という事をじゃな。」
「神原結斗君はそれを受けた、ですか……。」
自分達の計画(結斗の件)が紆余曲折あったが無事進んだ事を話した国王は、常に無表情(ポーカーフェイス)な女大臣が一瞬安堵の表情を浮かべたのを見た。気がした。
「(……むぅ?)」
「ああそういえば、ついさっき魔法学院の方から伝書が来ました。」
常にポーカーフェイスな女大臣は、取り繕ったように手紙を見せた。
「魔法学院から伝書? 珍しい事があるんじゃのぅ。」
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