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「そこで、じゃ。」
男性は少年の肩を叩くと、こう言った。
「最近街で噂に上がっとる君──万屋親子の君に依頼したいのじゃよ。」
「大体事情は察しましたが、行方不明の勇者を探すと言っても今までに勇者って何人ぐらい出たんですか?」
「戦争が本格的になったのは約4年前じゃから4人じゃな。男女二人ずつじゃ。」
話によれば三年前に1人パーティーの男勇者(出発当時18)は女性型悪魔系の魔族が発見された森に行き、二年前の女勇者(出発当時16)は何処ぞの男と駆け落ちして以来連絡が無いらしい。去年の女勇者(出発当時15)は北の、魔族領で魔族とコンタクトして以来連絡が途絶えてしまっていた。
「・・・どうなったんですか?」
「一応生死不明じゃが、もう死亡していると見て間違いないじゃろう。じゃが、儂が探してほしいのはそやつらではない。」
男性の言うには、探してほしいのは今年出発した少年勇者だという。南下した後、連絡がとれなくなってしまっているようだ。
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