第00話『プロローグ』

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――すべての始まりは、高校生活が慣れるのに十分すぎるほど時間がたった 三学期のとある放課後の出来事からでした。 「――月見里(やまなし)、今日の放課後暇か?」 「え、うん。特に用事はないけど」 「私の父が友達を呼べと言うのだが…私には友達が少ない。もし空いているなら私の家にきてほしい」 「うん、いいよ」 「悪いな」 入学式の時に一目惚れしてから約9ヶ月。 僕、月見里 六斗は篠原さんに恋をしています。 入学当初彼女は周囲から可愛いと注目されていたが『穢らわしい散れ』と一刀両断。 いつしか高嶺の花だとみんなからも注目されなくなった。 しかし、惚れたものは仕方ない。 席替えなどで席が近くなった時とかに話しかけ、今では友達にまでなった。 …まあ友達になったからって扱いはみんなと一緒だけど。 「リク、何話してたんだ?」 篠原さんが教室を出るのと同時に僕の親友、左近が話しかけてくる。 「左近…僕、篠原さんの家にお呼ばれしたよ!」 「おーおー良かったな。リクにしたら著しい成長だ」 「だから今日遊ぶ約束はなしで!」 「おーけー、わかったよ。明日どんなだったか教えてくれよ?」 「ラジャー!」 さてと…やっぱり手土産とかいるのかな?
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