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――すべての始まりは、高校生活が慣れるのに十分すぎるほど時間がたった
三学期のとある放課後の出来事からでした。
「――月見里(やまなし)、今日の放課後暇か?」
「え、うん。特に用事はないけど」
「私の父が友達を呼べと言うのだが…私には友達が少ない。もし空いているなら私の家にきてほしい」
「うん、いいよ」
「悪いな」
入学式の時に一目惚れしてから約9ヶ月。
僕、月見里 六斗は篠原さんに恋をしています。
入学当初彼女は周囲から可愛いと注目されていたが『穢らわしい散れ』と一刀両断。
いつしか高嶺の花だとみんなからも注目されなくなった。
しかし、惚れたものは仕方ない。
席替えなどで席が近くなった時とかに話しかけ、今では友達にまでなった。
…まあ友達になったからって扱いはみんなと一緒だけど。
「リク、何話してたんだ?」
篠原さんが教室を出るのと同時に僕の親友、左近が話しかけてくる。
「左近…僕、篠原さんの家にお呼ばれしたよ!」
「おーおー良かったな。リクにしたら著しい成長だ」
「だから今日遊ぶ約束はなしで!」
「おーけー、わかったよ。明日どんなだったか教えてくれよ?」
「ラジャー!」
さてと…やっぱり手土産とかいるのかな?
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