第00話『プロローグ』

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「遅くなっちゃった…」 お土産選ぶのに時間かかって只今5:48。 まあ6時前だし大丈夫だよね? 「遅くなってすみません。篠原さんに呼ばれてきました月見里です」 呼び出しベルを押して家の中に入る。 「おお、悪いな月見里」 「いや、遅くなってごめんね。これ家族でどうぞ」 「そんなに気をまわさんでも良かったのだが…まあ上がれ」 「お、お邪魔します」 うわぁー… 篠原さんの家だぁ。 篠原さんの性格からして由緒正しい寺とかかと思ってたけど… 案外普通だなぁ。 「やあ、月見里くんとやら」 「うわぁ!」 後ろからひょっこり現れた声にビックリして声が漏れる。 「ああ…ソレが私の父だ」 「ちゃんと自己紹介してくれ!」 「はぁ……名前、篠原 勉(つとむ)、性格科学に人生を捧げる変態馬鹿、身長168センチ体重80キロ。以上」 「…すごい人ですね」 「私はいずれ世界を救う発明を研究している!」 「へぇ、どんな研究ですか?」 「よく訊いてくれた!月見里くん!!」 肩に手を置かれ熱く語り出す篠原父。 「…私はお茶入れてくるとしよう」 「待て流香!今から私の発明品を月見里くんに見てもらう、手伝え!」 「いや、僕は別に…」 ああ、駄目だ。 強制的に連れて行かれてる…… でもおじさんって何作ってるんだろう? 「月見里、すまんな…」 「いや、僕は別に」 この『すまん』と言う言葉の意味の意味を僕は予想だにしていなかった。
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