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「おい、父よ」
「私は貴様のような奴に父と呼ばれる気などない!」
「私だ!流香だ馬鹿」
おじさんの残り少ない髪を掴みながら怒鳴る僕の姿をした篠原さん。
「あの、おじさん。早く元に戻してくれませんか?」
「おお月見里くん、悪いことをしたね。すぐにでも戻してやりたいんだが……」
自動販売機型の機械に目をやるおじさん。
つられて自分の目線も機械の方向に。
「……んなっ!」
機械からはいかにも故障しましたと言わんばかりの煙と蒸気音。
「中がドロドロに融解していてだな…」
「戻せないとでも言いたそうだな…父よ」
篠原さんは自分の右手をおじさんの股間にあて、きゅっと軽く握る。
「いや、な、なおる!修理なんて楽勝だ」
「本当か?」
「余裕だ簡単!半年もあればだが……」
「「……半年」」
お父さん、お母さん。
僕が元の身体に戻るまで大変な生活を送ることになりそうです。
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