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昔々。
海があり、山があり。
国が美しくあった頃。
人々は肥沃な土地に里を作り、皆平和に暮らしておった。
冬が訪れると、海が荒れて里を飲み込まんとするので、鎮守の森から巫女が舞や供物を捧げて荒神様に平穏祈願するんじゃ。
そうして間もなく里に静寂が訪れ、次の年まで穏やかに暮らせるわけだ。
そんな大事な祈願を行う巫女だが普段は鎮守の森から外へ出る事は叶わず、里の者からも敬遠されておった。
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