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この辺りから、わたしの輝かしい青春の日々に陰りがさしはじめていく…。
進路活動に忙しい仲間達からわたしは離れていった…。
わたしは苛つく焦りを抑えきれず、一人街に出ては昼夜を問わず不良どもに喧嘩を売っては暴れ回る毎日を送っていた。
そんな荒れまくっていたある日、わたしの退学の発端ともなった事件が起こる。
今はクラスは違うのだが、1年生の時にわたしと同級生だった不良仲間が頭に包帯、片腕をギプスで固定という悲惨な状態で学校に現れた。
「今田ぁ、なんだそのザマは…。いったい何があったんだぁ?」
わたしの問いに、今田は都合悪そうに顔を歪め、猫背で語りはじめた。
聞くところによると、今田の下宿近くの銭湯帰りに事件は起こったらしい…。
今田は同じ下宿の後輩と銭湯にいった帰り道、神社前にたむろしていた不良五六人に因縁をつけられた。
「おい、あん時は世話になったな!この義塾野郎が!」
知らない顔の中に一人、夏祭りの夜店で、わたし達がぶん殴った工業高校の3年の一人が混じっていた。
多勢に無勢…、無惨にも今田と後輩はそいつらの袋叩きにあう。
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