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『陶芸教室マスダ 次の角を左折1.5km』
ペンキもはげ落ちかなり前から放っておかれていることが見てとれる。
その『マスダ』とやらもおそらくもう無いのだろう。
遠くにその証拠らしき朽ちた白い建物がちらりと姿を現し、
また緑の中に消えた。
どうでもよい事だが。
本当にどうでもよい事だ。
頭が痛過ぎて目の奥がぼおっとする。
バスも、周囲も、乗り合わせている人間も。
本当に頭の痛い事だ。
この無機質なインナーイヤフォンが届けてくれる躍動と情動だけに
世の中で唯一の有機的価値が宿っている。
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