ようこそ未定学園へ

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「やっぱ気になるなぁ、どんなカンジなんだろうなぁ」 「何か知ってる?」 「全寮制って言っても学園都市だから、  かなり周囲にいろいろあるって聞いてるけど」 「素敵なところだといいなぁ」 「何せ入試も別の場所だったし  事前に現地の見学は完全にNGだったもんね」 「メディアもかなり限られた範囲しか入ってないし」 「周辺だけで生活が成立するほど大規模なものが  こんな田舎にあるなんてね」 「おれ、前に食堂とかグランドが出てる映像ネットで見たぜ。  けっこう校舎はきれいだったよ」 「あーおれもそれ見た見た」 「やっぱスゴいんだろうな!」 周囲は期待9:不安1の空気、といったところだった。 心配事を口にする人間も実際のところその言の葉にはさしたる他意は無く、なんとなしにバランス感覚で出てきたものを言葉に変えているだけだった。 閉鎖された学園都市 それだけで本来不安は十二分だが、 実際のところそれを遥かに埋め合わせて余りある期待感をもたらしているものは何か。
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