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こんなのもろくに避けきれないで、良くヒーローなんかやっていられるな。
そう思っていると自分の腕に羽が触れてしまった。反射的に振り払おうとしたが、羽はその場で瞬時に爆発した。
「いっ……たくない……」
衝撃はあるものの、ヒーロースーツのおかげなのか然程ダメージは無かった。これならば我慢出来なくも無いし、なによりこちらから攻撃を仕掛ける事が出来る。
反撃をするために羽を避けつつ、たまに羽にわざと当たり爆発を起こしながらその勢いを利用しタータカンとの距離を詰める。
羽を避けようと派手に動き回り小規模な爆発が連発するヒーロー四色に、タータカンの注意が引き付けられている。やるなら今だ。
「……今」
足の裏にヒーローパワーを集め一気に放出する。圧縮した空気をまとった右ストレートが、反応に遅れたタータカンの鳩尾に食い込んだ。同時に、辺りに衝突音が響き渡る。
「ブルー!?」
突然の行動にヒーローが驚きを露にする。衝撃波によって舞っていた羽も吹き飛んでいた。
「どこだブルー!?」
右ストレートで打ち上がったタータカンの先回りをし、踵落としで打ち返した。もちろん、ヒーローを狙った。地上で辺りを見回す四色の元へ、空から物凄い速さでタータカンが落下した。
「きゃあ!」
「なっ、何だ!?」
「皆大丈夫か!?」
「ブルーは!? ブルーはどこ!?」
混乱しているヒーロー四色を、俺は空から冷ややかな目で見ていた。
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