対フヘンナ ニチジョウ

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 どうして俺なのか、どうして。 「はぁ……」  ヒーローに変身して戦う様になってから明らかに溜め息が増えた。そもそも何故俺がヒーローにならなければいけないのか。  ある日公園で本を読んでいる時に突然怪人が現れた。逃げ惑う人々の中、俺は逃げる事無く本を読み進めて居た。しばらくしてヒーローが現れ、怪人に放った光線は当たる事無く俺に直撃した。  慌てたヒーローが駆け寄った。そして耳を疑う言葉を発した。 「なんと! 君はブルーなのか!」 「……は?」  普通の人間がヒーローの攻撃を受けて無事なはずが無い。自分の体に目を向けると、青いヒーロースーツを着ていた。訳が分からない俺を尻目にヒーローが手を差し出した。 「さあ! 一緒にあの怪人を倒そう!」  今俺はお前に殺され掛けたんだと反論したかったのだが、体が勝手にヒーローの手を握り怪人を倒しに向かった。スーツに操られるまま流れで技を出して怪人を倒した。 「やったな! ブルー、これからも力を合わせて地球の平和を守ろう!」 「……はぁ」  あの時の怪人はただ現れただけで人々に手を出してはいなかった。破壊行為もしてはいなかった。ただ噴水で水浴びをしていただけだった。なのにヒーローは一方的に攻撃して、物を破壊し、一般人である俺を殺し掛けた。
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