対フヘンナ ニチジョウ

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 ヒーローの秘密基地に連れて行かれ、ヒーローマニュアルを渡され、自分専用のロッカールームに案内され、ブルー専用のヒーローグッズがあるから使い方を覚えろと放置された。  俺に有無を言わさず、殺され掛けたヒーローの仲間に強制的になった。そして今に至る。  公園のベンチに腰掛け噴水を眺める。自分は一体何の為に戦っているんだろうか。他人がどうなろうと、俺の知ったことではない。 「はぁ……」 「君はさっきから溜め息ばかりだね。隣り良いかな?」 「……どうぞ」  見知らぬ男が隣りに腰を下ろす。ビジネススーツで身を固め、髪が邪魔にならない様にワックスでまとめている。  特に興味も無いので自分からは話さず、再び噴水を見つめた。 「君はいつもここに居るね。この公園好きなのかい?」 「……好きでした」 「でした? 過去形だね」 「今は嫌いです」  ヒーローになってしまったきっかけでもあるこの公園。嫌いならば何故来るのか。  ヒーローに殺され掛けた事を忘れない為に。そのヒーローの仲間になってしまった自分への忌ましめ。そしてヒーローと怪人の戦いに巻き込まれた両親を思い出す為に。 「色々あるみたいだけど、深くは聞かないから」 「まぁ聞かれても答えませんが。……一つお聞きしても良いですか?」 「なんだい?」 「正義って何ですか?」
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