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眩しい光に目を細める。
普段もカーテンで日光をシャットアウトしていたので、頭から降り注ぐ光に早くもやられていた。
低血圧な上、鉄分が不足しているせいか、脳内がぼーっとしてくらくらする。
イヤホンを耳に差し込みフードを被る。
大音量の音楽が他の音を打ち消す。
行き交う通行人達は、皆それぞれに忙しい時間帯なのか世話しなく足を進めている。
この分だと7時半には着くかもしれない。
いくらなんでもちょっと早すぎたかもしれない。
制服を着た人は見当たらない。
「那智の通ってる高校何処だっけ?1回しか行ったことがないから忘れちゃった。」
「…彼処の橋を右に曲がると、すぐ。」
無愛想な返答にもお構い無しなこの姉は、小さいことは気にしないタイプだ。
あたしの存在にも関心はあまり無いらしい。
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