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数秒目を閉じた頃に、ガララとドアを開けた人がいた。
ビクッと体だ震えたがフードで目元が隠れていたせいで、反射的に振り向いてしまったあたしの目には彼の足元しか見えていなかった。
『彼』と判断できたのは制服を着ていたせいで性別だけは判断できた。
あたしに近づいてくる足は、目前で止まり目の前の椅子を引いた。
「あのさ。」
「…。」
「邪魔なんだけど。」
「…。」
冷たいその声はあたしの胸を貫いた。
全然知らない人に上から目線の態度。
腹立たしいが、あたしは黙ってその場をどいた。
やはりあたしは存在を完璧に消さなければ人の邪魔になるのだ、と言われた気がした。
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