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女性は男性の言葉に頷き、過去を懐かしむようにこう言った。
「昔は銀のような純血の白狼族がたくさんいたからね」
「今では半純血の私たちだけになってしまった。だが彼女達を見ているといつか昔に戻れるような気がするんだ」
「きっと戻れるわよ。あの時に」
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「ギーンー!どこー!もうダメ、私の降参。出て来てー!」
紅葉はあれから1、2時間は探したが、結局銀は見つからず大声で降伏宣言をしていた。
そんなとき紅葉へ向けて降り注いで日差しが消え、地面には見覚えのある影が出来ていた。
紅葉が上を振り向くと同時に影の主が飛び降りてきた。
「キャッ!」と紅葉の悲鳴をあげ、影の主は彼女に跨がって彼女の耳を甘噛みしながら言った。
『俺、凄いだろ。褒めろ褒めろ』
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