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三人は無言でお婆さんを手伝い始めた
洗っているうちに宮路の目から涙が溢れてきた
婆「おやおや、いきなり泣いちゃってどうしたんだい?」
宮路「何でもないです……目にゴミが……」
ベタな嘘をつく
墓を磨き終わる
婆「ありがとう、あの人もきっと喜んでいるよ」
宮路「いえいえ……お婆さん」
婆「なんだい?」
宮路「二人で幸せになって下さいね」
婆「ありがとう」
墓所を後にした
帰宅道
宮路は神楽を見た
宮路(神楽……)
神楽は沈んだ顔をしていた
式「神楽さん、あなた何か知っているの?」
神楽「ちょっと……あのお婆さんの話で気になったんです。たしかにあたしがこっちの世界に来るまで色んな死者を見てきました。お婆さんの初恋の方……もしかしたら大勢の軍人の方の中にいたんじゃないのかなって」
式「あなた……今何歳?」
神楽「922歳です」
宮路「はい?」
神楽「巫女の寿命は約1000年、100年事に体は新しく生まれ変わり今が最後の100年です」
宮路「最後の100年……実質俺と同じ寿命か」
神楽「はい……あたしは死者はたくさん見てきました。けど後僅かってなったらなんだか不安で……」
宮路「……姉さん先に帰ってて」
式「……」
姉を先に帰らせると神楽と向き合う
宮路「神楽ってさ……なんだか反則だよ。頼りになるかと思ったら女性ぽい弱気な所を見せたりとかして……」
神楽「ダメですか?……あたし……」
宮路「ダメじゃない……逆にいいと思う。こんな頼りない俺だけどたまには甘えて欲しいな」
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