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その日は、神社で夏祭りが行われていた。
私は右手に母の手を、左手には綿菓子をしっかりと握り締め、夏祭りを楽しんでいた。
その頃、私はまだ九歳。
他人に無防備な可愛い可愛いやつだった。
「綿菓子おいしー!」
「ふふ、ママにも一口」
「えーっ!だーめー!」
「祐ちゃんのケチー」
「仕方ないなー!ほら」
「もう、祐ちゃん大好き!」
そんなたわいない会話
これが母との最後の会話になるとは、思ってもみなかった。
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